「フランチャイズは儲かるのか」「やめたほうがいいと言われるのはなぜか」は、加盟を検討し始めた人がほぼ必ず調べるテーマです。結論から言うと、儲かるかどうかは業種よりも契約条件と立地、そして本部の選び方で決まります。この記事では、うまくいかない典型的なパターンと、加盟前に潰しておける確認事項を整理します。
「やめたほうがいい」と言われる5つの理由
- ロイヤリティが利益を圧迫する:売上が想定に届かなくても、売上歩合や定額のロイヤリティは発生します。売上が下がるほど、利益に対するロイヤリティの重さが増します。
- 初期投資が回収できないまま契約期間が終わる:内装や設備に大きく投資した業態ほど、回収に時間がかかります。契約期間内に回収できる計画かどうかを確認しないまま始めると苦しくなります。
- 本部の指示で自由に手を打てない:売れないときに価格を下げる、商品を変える、といった対応が契約上できないことがあります。
- やめるときに費用がかかる:中途解約の違約金、原状回復費用、リース残債。始めるときのコストばかり見て、やめるときのコストを見ていないケースが多くあります。
- 提示された収支モデルが好条件の前提だった:モデル損益はあくまで一例です。どの立地・どの客数・どの人件費を前提にした数字かを確認しないと、比較になりません。
いずれも「フランチャイズだから」ではなく、「条件を確認せずに契約したから」起きる問題です。
それでもフランチャイズが選ばれる理由
一方で、フランチャイズが選ばれ続けているのは、事業を立ち上げる工程のうち時間がかかる部分を省けるからです。商品やサービスの設計、仕入れ先の開拓、オペレーションの標準化、集客の型づくり。これらをゼロから作ると数ヶ月から数年かかりますが、既に回っている仕組みを使えば、開業までの期間を大きく短縮できます。
また、うまくいかないときに相談できる相手がいることは、独りで始める場合との明確な差です。他の加盟店で起きた問題と対処法が本部に蓄積されているなら、同じ失敗を繰り返さずに済みます。
儲かるかどうかを分ける要素
| 要素 | 見るポイント |
|---|---|
| ロイヤリティの方式 | 売上歩合か、粗利配分か、定額か。売上が落ちたときにどう効くかで、耐えられる範囲が変わります。 |
| 損益分岐点 | 毎月いくら売り上げれば赤字にならないか。家賃・人件費・ロイヤリティを足した固定費から逆算します。 |
| 立地と商圏 | 店舗型の業態では、立地が売上の大部分を決めます。本部が立地調査をどこまでやるかを確認します。 |
| 初期投資の回収期間 | 投資額 ÷ 月の営業利益で、何ヶ月で回収できるか。契約期間より長い計画になっていないか。 |
| 人件費の前提 | オーナー自身が現場に入る前提のモデルか、人を雇う前提か。雇う場合の採用しやすさも含めて見ます。 |
| 本部の継続力 | 加盟店数の推移、直営店の状況、本部そのものの事業の安定性。 |
加盟前に潰しておける確認事項
収支モデルの前提を分解する
提示された収支モデルは、必ず前提条件とセットで確認します。客単価・客数・営業日数・人件費・家賃のどれかが自分の想定と違えば、利益は簡単に変わります。自分のエリアの家賃と時給に置き換えて計算し直すところまでやると、数字の見え方が変わります。
下振れしたときのシナリオを作る
売上が計画の7割だった場合に何ヶ月耐えられるかを、手元資金から計算しておきます。ここが1〜2ヶ月しかないなら、そもそも資金計画に無理があります。
既存の加盟店に話を聞く
可能であれば、既に加盟している人に直接聞くのがもっとも正確です。本部が紹介に応じないなら、その理由を確認します。
契約書を持ち帰り、専門家に見てもらう
契約書と法定開示書面(中小小売商業振興法に基づく書面が交付される業種もあります)は、その場でサインせず持ち帰ります。契約期間、解約条件、テリトリー、競業避止の範囲は特に確認が必要です。
フランチャイズが儲かるかどうかは、業種の良し悪しよりも、条件を確認したうえで自分の資金と働き方に合うものを選べたかで決まります。うまくいかない理由の多くは加盟前に確認できるものなので、比較の段階で丁寧に潰していってください。
