学習塾は、フランチャイズの中でも長く続いている分野です。教材とカリキュラムを本部が用意するため、指導経験がなくても運営に入りやすい一方、生徒募集の時期が限られ、講師の確保が運営の中心になります。この記事では、学習塾フランチャイズの業態タイプと、加盟前に確認しておきたい点を整理します。
学習塾の業態タイプ
個別指導
講師1人が生徒1〜3人程度を担当する形です。教室の坪数は比較的小さく済みますが、生徒数に比例して講師が必要になります。講師の採用と定着が、受け入れられる生徒数の上限を決めます。
集団指導
1人の講師が複数の生徒に授業を行う形です。1コマあたりの収益性は高くなりますが、学年・科目ごとにクラスを編成する必要があり、一定の生徒数が集まらないと成立しません。
自立学習・映像授業型
教材やタブレット、映像授業を使い、生徒が自分のペースで学習する形です。講師は指導よりも学習の管理・声かけが中心になり、指導経験の要求水準が下がります。人件費を抑えやすい反面、生徒の継続には運営側の関わり方が問われます。
特定分野特化型
幼児教育、英会話、プログラミング、そろばんなど、分野を絞る形です。対象年齢が低い場合は保護者との接点が多くなり、送迎や安全管理も運営の要素になります。
この業種特有の運営条件
- 募集の時期が決まっている:新学期・長期休みの前が入会のピークです。開業のタイミングを募集期に合わせられるかで、初年度の立ち上がりが変わります。
- 講師の採用が生徒受け入れの上限:とくに個別指導では、講師が確保できなければ生徒を受けられません。学生アルバイトが中心の場合、卒業のタイミングで入れ替わります。
- 売上は月謝の積み上がり:一度入会すれば継続するため売上は読みやすい一方、退会が出ると回復に時間がかかります。
- 季節講習が収益に効く:夏期・冬期などの講習が売上の大きな部分を占める塾もあります。収支モデルにこれが含まれているかを確認します。
収益構造で見るポイント
| 項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 損益分岐の生徒数 | 家賃・人件費・ロイヤリティを賄うのに何人必要か。 |
| 商圏の生徒数 | 教室から通える範囲の小中学生の人数と、競合塾の数。 |
| 1教室の収容上限 | 坪数・席数・講師数から、受け入れられる生徒数の上限。 |
| 継続率 | 学年が上がるときに残るか。中学卒業時にどれだけ抜けるか。 |
| 教材費・システム利用料 | ロイヤリティとは別に、生徒数に応じてかかる費用があるか。 |
継続契約に関わる実務
学習塾は、特定商取引法の特定継続的役務提供の対象です。契約期間が2ヶ月を超え、かつ金額が5万円を超える契約では、概要書面・契約書面の交付、クーリング・オフ、中途解約に関するルールが適用されます。
季節講習のパック契約などがこれに該当することがあるため、本部が書面のひな形と運用手順を提供しているかを確認してください。
本部を比較するときの確認事項
- 教材・カリキュラムは本部提供か。教材費は誰の売上になるか。
- 講師の採用は本部が支援するか。研修の内容と期間は。
- 生徒募集はどう行うか。本部のチラシ・広告の範囲と、加盟店の販促費の目安。
- 損益分岐となる生徒数と、その根拠になる収支モデルの前提。
- 既存教室の平均生徒数と、開業から損益分岐までの平均期間。
- 同一商圏への出店に関する取り決めはあるか。
- 教室運営システム・成績管理システムの月額費用はいくらか。
- オーナー自身が指導に入る前提か、教室長を雇う前提か。
学習塾フランチャイズは、損益分岐となる生徒数と講師の確保で採算が決まります。商圏の生徒数から必要人数を達成できるかを確認し、募集期に開業を合わせられるかも含めて複数社を比較してください。
